銀背のこと [記憶の整理]
記憶の整理に:
1972年1月頃だろうかハヤカワSFシリーズ(銀背)の『小鬼の居留地』クリフォード・D.シマック
を買った(当時、銀背は毎月発売されていた)。田舎の小さな売り場面積も限られる本屋に銀背や
ポケミスが置いてあるわけもなく「ミステリマガジン」や「SFマガジン」の新刊案内をみて注文し
たんだけど、そこで早川書房の出版目録を見ることが出来た。
ポケミスの一覧を見てカーやクイーンの未読未見の作品がかなりあり、その殆どが品切れだった
という事は別の話だが。
当時ハヤカワSF文庫や創元推理文庫を読み始めたばかりで、SFについて作家や作品の情報が
なく、銀背の出版リストを眺めて、題名からどんな作品なんだろうと楽しく想像(妄想)していました。
その300冊あまりの作品のなかでも、とても印象的なタイトルが3冊ありました。
『人間以上』シオドア・スタージョン
『天翔ける十字軍』ポール・アンダースン
『異次元の彼方から』マレイ・ラインスター
今となっては、これらのタイトルの何があの頃のわたしに訴えていたのか不明ですが、いろいろ
と想像してしまう題名であることに間違いありません。
『人間以上』と『天翔ける十字軍』は数年後ハヤカワSF文庫から出版され、読むことが出来たの
ですが、『異次元の彼方から』だけはいつまで待っても文庫化されず、わたしの読みたい本リス
トにいつもでも記載されたままでした。(ハヤカワSF文庫の初期に出たラインスターの『青い世界
の怪物』が売れなかったからだろうが、次にハヤカワから出るラインスター作品はメド・シップ・
シリーズまで12年ほど待たなければならなかった)
結局わたしが『異次元の彼方から』を読めたのは約27年後である。
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